1部2曲目「チマローザに拠るコンチェルト・グロッソ」(菅原明朗)に使用するマンドラ・コントラルトを紹介します。

No.1 PECORARO①

No.2 PECORARO②

No.3 VINACCIA

No.4 STRIDENTE①

No.5 STRIDENTE②

マンドリン属の中音域を担当するマンドラにはマンドラテノールとマンドラコントラルトがあります。調弦は、テノールが下からG-D-A-Eとマンドリンの1オクターブ下の設定なのに対してコントラルトはC-G-D-Aとマンドリンの5度下というもので、バイオリン属のビオラと同じ設定になっています。

マンドリン属もバイオリン属と同じバリエーションを揃えることで合奏ができるようになったのですが、マンドリン合奏はquartet romanticoと呼ばれるマンドリン×2、マンドラ、ギターの編成が主流となり、チェロの音域もカバーできるマンドラテノールが重宝されるようになりました。

一方で、マンドリン合奏のオリジナル曲も十分でなく弦楽四重奏曲を演奏することも多く、その場合にはビオラと同じ調弦でアルト記号で演奏されるマンドラコントラルトにも根強い人気がありました。実際、ムニエルやファルボのマンドリン四重奏曲にはマンドリン×2、マンドラテノール、ギターのバージョンとマンドリン×2、マンドラコントラルト、マンドロンチェロのバージョンの両方が出版されており、マンドリン四重奏においてはマンドラコントラルトを使用するもグループも多かったのだと思われます。
(マンドラコントラルトを使用したマンドリン四重奏の演奏はこちら)

マンドラコントラルトは1弦が裸弦になることからマンドリンとの音色のつながりが良いという特徴もあります。そのため、これをを加えることで内声が充実し、ハーモニーに深みが増してきます。マンドリンが隆盛した当時の楽器をこよなく愛するビアンカフィオーリでは今回5台のマンドラコントラルトを揃えることができました。一味違った響きをお楽しみいただければと思います。


並べてみるとこんなサイズ感です。
右から
マンドラテノール(G-d-a-e’)
マンドラコントラルト(c-g-d’-a’)
マンドリン(g-d’-a’-e”)
クァルティーノ(c’-g’-d”-a”)